星の数ほど存在する交換用HID・・・何が違う?    
 
 見た目とか色温度とかパッケージとか・・・と、違いは様々ですが、やはり違いの基準
になるのは色温度と、明るさでしょうか。近年明るいHIDと謳われている物をみかけますが
(後述)明るさは基本変わりません。では選択基準が色温度となりますが、こちらは見た目
がガラりとかわりますので、明るい感じがしたり、見やすい感じがしたり。「感じが〜」
と記述したのは、多分に個人の好みによるところが大きいからであります。
純正が3900〜4300Kの範囲で存在しています。そこで、黄色っぽいHIDの光を青く、
白くしたいということで登場したのが、純正HID交換ランプ。
所謂、「純正交換用D1S」や「純正交換用D2R」と言われているランプになります。

ところで、お尻に付いた
"R"とか"S"って何でしょうか。まずはこちらを解説致します。



D2RとかD2Sとか
 D2S。D2R。よくみかける形式ですが、この"R"とか"S"ってなんでしょう。見比べると
よく分かるのですが、"S"のほうは、ランプのガラスが素のままです。しかし、"R"のほうは、
なにやらガラスに黒い塗装がされています。これは「レジスタ処理」と言われているもので、
"R"の所以になった言語でもあるのですが、光を遮る役目をしています。ランプなのに光を
遮ってどうする!?とお思いの方もおられるかもしれませんが、実は使うヘッドライトの
仕組みによって使い分けが決まっています。

(1)ランプが外から見えるような形状のヘッドライト=D2R
(2)ランプが水晶玉の中に入ってて見えないようなヘッドライト=D2S となります。


※D2S(左)/D2R(右)

水晶玉ヘッドライトのことを、プロジェクタヘッドライトといいます。このライトは、
光学的に細かな設計が可能で、内部で光の拡散や分配を上手に行えます。

次に、D2R。これは、外からランプが見えるヘッドライトで、一般に、最近では
マルチリフレクタヘッドライトと呼ばれるものに装着します。このマルチリフレクタヘッドライトは、
安価に生産することが可能ですが(部品点数が少ない)、配光性能に関しては、プロジェクタに
及びません。また、外から直接ランプが見える事により、HIDの光が直接光漏らさないために、
あの"黒い塗装"の工夫がされています(本当は左右配光で得る光の調整なども行っているのですが、
ここでは割愛させていただきます。)

 近年、D2C(?)と称する SにもRにも対応していそうでしてなさそうなランプがありますが、
ハッキリ言えば・・・対応してません。
D2Rは、それなりに計算された位置に計算された遮光面積を持っているのですが、
単なるカバーでそれを摸倣できるものではありません。では、D2Sでなら使えるかというと、
結果論としては使えると思います・・・。プライドでお話させて頂ければ、

「D2"R"はD2"R"として生産されているもの」をお使い頂きたいところです。

 ところで、マルチリフレクタとプロジェクター。実のところ、明るさはどちらも変わりません。
技術の進歩により、マルチリフレクタヘッドライトでも綺麗な配光で、快適な前方視界を作り出す
製品も存在しています。しかし明るさは変わらないのですが、配光性能はやはり違うようで、
より綺麗に幻惑のない光を作れるのは、プロジェクタヘッドライトなのです。

欧州では、HID純正装着車はすべて「プロジェクタヘッドライト」でなくてはいけません。
また、必ずヘッドライトウォッシャを装着していなければなりません。自動車先進国が多い
地域らしく、しっかりした基準と規則が整備されていますね。

最後に。D1Sとか、D2Sの"1"とか"2"の数字の部分。
これは、1,3系が、イグナイタ(点灯に必要な装置)をバルブ後方に装備したランプ。
2,4系が、バルブのみのランプ(点灯装置は車両側に装着)。そして、さらに、3,4は、
その中でも、環境配慮型の"水銀使用ゼロ"の製品となります。




ガラス管と、セラミックチューブの色
   さて、"S"と"R"の違いが分かったところで、次にガラス管について少しご説明致します。

実に様々なガラス管を使った製品があります。品質も様々かとおもいますが、必ず満たさなけ
ればいけない条件があります。それは UVカット性能。HIDランプをはじめ、メタルハライド照明
といわれる放電管は、紫外線を放出しながら光ります。
この紫外線は有害で、お車のレンズを曇らせたり、メッキはがれや寿命低下を招きます。
また、ガラス管は二重構造になっており、内側は細くて電極と発光点(カプセル)を有するもの。
外側は、UVカットを目的としたカバーガラス管となっています。

proud HID lampでは、十分な品質を保つために、ガラス管を最重要視し、フィリップスクオーツ社
のグラスジャケット(PHILIPSではこう呼びます)を採用しております。
インナーグラスジャケット(内側)
アウターグラスジャケット(外側)
ともに、同社の製品を当初より使い続けております。これらを使うことで信頼性と性能を確固たる
ものとし、D2ランプのECE認証を取得しております(後述)。


Inner/Outer Jacket. from Philips quartz.


―ちなみに。
ランプの先端から出てきて、ランプ側面を走る配線をカバーするセラミックチューブ。
このカラーが、色温度に影響するとかしないとか...。まことしやかに議論された時期がありましたが、
結論として、これは無視できるものとして捉えて頂いて構いません。
現に、proud HID lampでは、8000Kに黒系のチュービングを使用しております。
(5000/6000Kは白・3000Kは黄色等)

次は、ECE認証ってなんぞや? を解決します。




ECE認証 と DOT認証
   Eマーク という言葉を聞いたことがありますか?

 車載用電装品の国際規格で、規格をクリアしECE認証をとれたものにE-markが付与されます。
ECE認証を取得するのは容易ではありません。特に、ランプやブレーキ関係においては非常に厳しい
規格で、更には、欧州主導の規格でありますので、本当に信頼の置けるパーツでなければなりません。
それだけに、品質の基準となるものでもあります。いろいろなカテゴリがあります。



proud HID lamp:D2S-4200K は、"
ECE-R99"(ガスディスチャージ光源)のECE認証(E-13)を取得。
(参考:3800K-5000Kが、ECE規格適合の色温度)

proud :D2S-4200KのECE認証検査機関は「TUV」。ドイツの世界的に有名な認証検査機関。
レポートシートもございますが、多岐にわたる検査項目(寿命や減衰率まで)が存在しています。
取得するのはそう簡単ではないというのが解ります。実はバラストでE-markを取得しているものは
いくつかみかけます。しかし、ランプでE-markを取っているブランド。あまり多くないのです。
・・・実は認証に出しただけでE-markと記載していたり・・・おっと・・・。
機会があれば、TUVから頂いたECE認証証明書や検査シートを公開してみたいと思います。

データを抜粋した記事を記載させて頂きました。<CLICK!

また、DOT認証とは、いわばECE認証のUS版。アメリカでもランプの販売をする場合には、
このDOT認証を取得しなければ、「単なる後付けパーツ」という見方にしかなりませんが、
しっかりDOT規格もクリアおりますので、US圏でもOEパーツレベルでの取引を行うことが可能です。



ジャケットを支える構造
   ジャケットを支える部分(P32dベースと呼ばれます)の構造。これも非常に重要です。
この部分はジャケットを支えるばかりか、車両にランプを固定する部分(ベース)でもあります。
"縁の下の力持ち"どころではない、"表舞台の二大役者の片割れ"というくらい重要です。

いわゆるガラス管を耐熱パテで、プラスチックベースに差し込んでできあがり!というような製品は
大切な愛車に使いたくありませんし、金属で支えてる(フリ)をしているものも少なからず存在して
います。proud HID lampでは、メタルタフブリッジを採用し、車両の振動は当然のこととして、
装着時の万一の衝撃でも簡単に破損しないような構造を採用しております。
コストのかかる部分ではありますが、妥協は出来ません。



メタルタフブリッジ

色を司るモノたち
   色温度という値。K:ケルビン という単位で表される、簡単に言えば、「光の色」。

高くなれば青みが強くなる。低くなれば、黄色く・・・。(細かく言えば本当は違います)
そこで、前述したように4000K前後の純正HIDの茶色を、5000や6000Kの白い色に変えたい
と思うわけですが、この色温度はどのようにして決まっているのでしょうか?

答えは、"メタルハライドソルト" と呼ばれる、発光点(カプセル)に封入された物質。


メタルハライドソルト(下)

HIDは点灯時、この物質が固体から液体を経ずに気体になります。いわゆる"昇華"です。
その気体中を雷の様な電気が走ってランプが点灯しています。この物質の配合を変更したり、
または細かくは、カプセルの内圧力を変えたりして、様々な工夫を重ねて、いろいろな色を
作り出すことが可能になりました。ラインナップはしておりませんが、ap-japan.comでは、
真黄色〜緑〜紫〜青にいたるカラーを演色可能です。

※蛇足ですが、昔は12000Kという(本当は3500K)紫色もラインナップしていました。



HIDは、ランプ交換だけで明るくなるのか
   いままでは存在しませんでした。

たくさんのお客様に「明るいHID無いの?」と言われてきました。
答えに困りましたが、やはり答えは「NO」。
しかし、すでに・・・過去形となりました。

本来、HIDは、"交流"であり、バラストの出力に依存する形で明るさが決まっていました。


しかし、
 proud power vision(2013) の登場により、お客様へ「明るいランプ」をご紹介出来るようになります。

今までは、色温度によって「見やすく思う」とか「明るく感じる」というのはありましたが、
数値を公表しているものは殆ど無く、誤差なのかなんなのか、よく分からないランプが多くありました。


ap-japan.comが開発した proud power vision は、数値上も体感も、
「ランプ交換だけで明るくなるHIDランプ」としてご紹介してまいりました。
今までの35W純正バラストでドライブできる「進化型のHIDランプ」でした。


   月日は流れ・・・
  多くの方にご愛顧頂きました power vision でありましたが、それは群雄割拠の交換用HIDランプの中で
真っ向勝負するスペックでした。”青く” ”青白く” ”明るく” ”とにかく最大光量を” パワーゲームのよう
なランプ類の競争の中で、6000Kという蒼白=これ以上の明るさを求めるのは難しい という判断に至り、
市場の要求の変化にも対応する形で、6000Kを5555Kに統合。その後、5000Kも5555Kに統合。

バランスカラーの5555Kの成功をきっかけに、交換用ランプ市場に一石を投じる製品の開発に着手。

ランプ単体の明るさは、明るいかもしれないが、車両に装着すると「ん〜?」となる...如何ともしがたい気持ち。
「スペック上では明るいはずなのになぁ・・・」 
高効率等のうたい文句の交換ランプを試したことがある方は、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。

そこで、一から考え直しました。

見た目が格好良い?(蒼白〜)というのは捨てよう。(市場要求に反する部分がありますが)
何よりも"ライト"はドライバーのナイトドライブの為にある。
さらに、夜間ドライブを"より安全"に、"疲れをなくしたい!"
きっとこんなランプを欲しがっている"車好き"はいるはずだ!

結果、いくつかの新技術を取り入れ、「気持ちの良い視界」をコンセプトに新しいランプが誕生。

ap TRUE VISION.

proudとは別の路線のため、ブランド名は継承しませんでした。
数値の明るさはもとより、その明るさを正確にリフレクタに伝え、反射させる性能を持つ。だから”明るい”
光のロスは極力なくす。色味は素直にまじめに、本当の色を表現する。
そんな生真面目なランプが完成。

装着して実感できる 気持ちよい視界 と、色味・安心感。

これからは、こんなランプが皆様に好まれるようになれば良いと考えております。